様々なスタイル
現在ではたくさんの流派によって様々なスタイルが確立され、またスタイルの名称も流派によって異なること場合があります。本項では代表的な4つのスタイルについてご紹介いたします。
立華
別名 立花(たちばな、りっか)とも呼ばれ、室町時代から江戸中期にかけて確立された最も歴史の古いスタイルです。
花瓶にたくさんの役枝を立てることで構成され、公家や僧侶が広い床を飾って嗜んだこともあり、格調がありながらも華やかで優雅なスタイルと言えます。
真とよばれる役枝を中央に立て、それに副・請などとよばれる七つの役枝によって構成されています。全体として自然の様相をかたどったものが表現されています。
生花
生花(せいか)は「しょうか、いけばな」、また先人への尊敬の念を込め「お生花(おしょうか)」とも呼ばれています。
江戸中期から江戸末期にかけて確立されたスタイルで、主に江戸庶民の小さな床の間に飾るのに適すよう立華を簡略化することで生み出されました。床の間を飾るにふさわしい品格を追求し、シンプルながらも粋なスタイルが生み出され、現在継承されるスタイルへと確立していきました。
基本は三つの役枝による優雅な曲線で構成され、江戸の粋な気風を現在の生花作品からも見てとることができます。

投入花
投入花は、抛入花の略称で単に投入れ(なげいれ)とも呼ばれています。
花瓶や壺などの比較的高さのある器を用いて、花を留める為の剣山やコミなどは使わずに直接花を器にいけます。そのため花と器さえあれば すぐさまいけることができる最も身近なスタイルで、風になびくような自然な様には、他のスタイルには無い自由で軽やかな趣があります。
しかし花を留める道具を使わない投入花は、花を固定するには技術と経験が欠かせません。また投入花は立華や生花のような型が無く形式に捉われない為、いける人自身の技量とセンスが形として表現されます。


盛花
盛花(もりばな)は水盤や鉢に主に剣山を使って花を留め置き、器に花を盛り込むようにしていけたスタイルです。
剣山を使った手法は比較的容易に花を固定することが出来、初心者が扱いやすいことから、一般的にいけばなを始める上でまず最初に習うのが盛花です。
明治初期以降 西欧の文化に影響を受ける中、変化するライフスタイルに合わせて生み出された為、部屋の中心においてどの角度からも楽しめるよう立体的で華やかな印象が特徴です。
